梅雨が明けた都内は一段と暑さが厳しく、連日35度を越える猛暑が続いている。
日本ミツバチの養蜂は中延の屋上以外にも、近くのお寺や住宅のお庭などの緑豊かな場所に巣箱を置かせていただき、例年苦戦しながらも今日まで至っている。まさかと思うが、ここ東京はニューヨーク、パリ、ロンドンなどの主要都市の中で最も緑が多いと云われている。
緑が多いということはミツバチにとっては蜜源となる植物が豊富にあるということだ。
都内の某所(皇居の近く)の高層ビルでも巣箱を設置しており、7月の下旬にここで行われた採蜜作業に同行した。
このビルでは重箱式(縦型)の巣箱が設置されており、今回は上段の巣枠を1段切り取る。ボランティアの男性が慣れた手つきで重箱を固定している釘を緩めていく。巣箱の蓋を開けると蜂の巣がビッシリと詰まっていて、初めて目にする人にとってはなかなかの迫力に映るだろう。
中にいる蜂たちを払うために、用意していたドライヤーで上から全体的に冷風を当てていく。すると、巣の中にいた蜂たちが驚いて一斉に巣箱の下から大きな黒いかたまりとなって飛び出してきた。1万匹以上はいるだろうか?巣箱の中にはこれだけの蜂が一生懸命に自分の使命を果たしていると思うと、普段口にしているハチミツの有難みを感じずにはいられない。
取り出した巣枠からしたたる蜜、ちょっと味見をしてみると「さわやかな甘さでとてもおいしい! これが大都会で採れるハチミツとは思えない!」 採れたてのハチミツに感動を覚えたひと時であった。
(文責:丸山沙也)